責任者はダンドリが出来ねばならない

現場の責任者はダンドリが出来なければいけません。
多分これは単純に見えて最も重要な部分です。

なぜなら、
私が一番初めに田口さんから学んだ責任者の心得だからです。

現場の責任者と、現場のワーカーとの違いはここにあります。
責任者はダンドリにしっかりと時間をかけます。

その日一日の現場業務をズァッとイメージするのです。
そして、おおまかな絵を頭の中に描き出します。

田口さんの場合はダンドリに毎日一時間かけます。
その下準備があるからこそ、イレギュラーに対応することができる。

事故やトラブルがあっても淡々と指揮采配ができるのです。

よろしいでしょうか?

事故やトラブルがあっても、問題を最小限に食い止めることができる。
事故を「隠したり」トラブルを「もみ消したり」、
というものではありません。

ある程度の事故、トラブルすらダンドリの範疇なので、
それすらも仕事のうちなのです。

ダンドリを甘く見るといつか大きな事故につながります。
どういうことか?

事故が起こることを想定していないため、
事故という現象を追いかけてしまう。

本来行うべき仕事をおざなりにして、事故の対処に一生懸命。
そして一番大切な通常業務で痛い目をみることになります。



田口さんに教わったこと「ダンドリ」

私の身は田口さんにゆだねられました。
運よく現場の神・田口さんに「太田を教えたい」と、
言って頂けたことをきっかけに、
私への現場責任者教育が始まることとなるのです。

まずは現場の仕事を一から教わりました。
挨拶、掃除、現場のルールを手取り足取り。

・・・というわけでもなく、
お手本を見せて頂き「いまやった通りにやんだぞ」と言う感じで終了。
シゴトの流れと現場そのものをまずは体で憶えさせて頂きました。

ある日。仕事が終わった後、田口さんが私に言いました。
「お前、あした1時間早くこれる?」
田口さんにすべてをゆだねていた自分は、
なにも考えず「大丈夫っす。」とこたえたものです。

受験勉強などよりも有益で、面白く、ためになる。
明らかに現場のアルバイトに生活の比重があったように思います。

1時間早く現場に集合した田口さんと私。
田口さんは缶コーヒーを片手にたばこを吸っていました。

「おおたぁー、お前さ、今日から責任者な」
「はい。・・・えぇ!?」
えぇぇぇー!!

「いいんだ、全部教えてやっから」
「じゃぁ、はじめっか。安心しろ教えてやっからよ」

現場の責任者は田口さんがやるもの。
と思っていた自分は「自分、若すぎますからできません!」
と心の中で思っており、
不安な面持ちで田口さんの後をくっついて行ったものです。

現場の人間は四の五の言わないのです。いや、言えないのです。
まず手始めに教わったのが「ダンドリ」について。

「俺よぉ、お前らが来る1時間前に現場にきてんだよ」
えぇ!そうなんですか!

「おぅ。俺より早くきたことねぇだろ?」
はい。(確かに)

「毎回早く来てたばこ吸って、コーヒー飲んでんだよ」
そうなんですか。(田口さんならそうかもしれない)

「ばかやろう!(笑)んなわけねぇだろ!!」
で、ですよねー。

「シゴトしてんだよ。シゴトを。1時間前からよ」


「現場はまだ始まっていない、今そう思っただろ?」


・・・